2010年09月29日

どうしたら部下のやる気を引き出せるのだろうか?

「最近、どうも部下にやる気が感じられない。」

「部下のモチベーションを引き出したいがうまくいかない。」

・・・・・・と悩んでいるマネジャーは多いはずだ。

それは、上司の「一生懸命頑張れば業績は上がる」といった単純な動機づけが部下のやる気を引き出すどころか、むしろ「今はそんな時代ではない」と逆に部下をしらけさせていることもある。

部下にしてみれば、右肩上がりの時代に育ったマネジャーのやり方が通用するとは思っていない。



では、どうしたら部下のやる気を引き出せるのだろうか?

そもそも、人はどんな時に「やる気」を感じるのだろうか?

以下のような場合だ。

●顧客から感謝された時

●チャレンジングな目標を達成した時

●チームワークを感じながら自分の役割を全うした時

●おもしろい仕事をしている時

●高い評価をさらた時

・・・・・・など等。

これらをひとことでキーワード化すると「効力感」ということになる。
これは、「無力感」の対義語で、自分の仕事がここに貢献できたとか、このプロジェクトでこの役割を担ったと実感することを意味している。


逆に、「やる気を失う」時は、どんな時だろうか?
意外と多いのが「上司」との関連だ。

たとえば・・・・・・

●上司がメンバーに対する関心がない

●責任を押し付けてくる(責任をとらない。逃げる。

●方針を出さない

●決めつけてくる

●否定的な言動が多い

●手柄を横取りする

●指示が細かすぎる


・・・・・・など等だ。

このような外的・内的環境変化のなかで、何をマネジメントすればいいのだろうか?

それは「業績のマネジメントとともに、部下の『モチベーション』をマネジメントする」ことだ。

「モチベーションマネジメントは次の3要素でできている。

1)マネジメント動機

2)メンバーへの関心

3)コミュニケーションの技術

この3要素がメンバーの共感と信頼を生み出す。

「マネジメント動機」とは、要はマネジャーが何を大切にして、何を目的にマネジメントしたいと思っているかということだ。

最近の企業のDNAといった議論や企業風土の話は、この部分に色濃く反映される。


つぎに「メンバーへの関心」だが、メンバーはどんな時に喜怒哀楽を示すかに関心をよせる、ということだ。

また、メンバーそれぞれの「すべきこと」「やりたいこと」「できること」の三点にも関心を持とう。
この三点が交わっているところで、人は最も力を発揮する。


最後に「コミュニケーションの技術」だが、具体的には、コミュニケーションのテーマと様式の組み合わせだ。
ここでキーファクターとなるのは、人によってやる気を出すポイントが異なっているということだ。
たとえば、誉めたほうがやる気が出る人と、叱ったほうがやる気が出る人がいるということだ。
そのコミュニケーション場面のTPOを使い分けるか否かで、効果が全く異なってくる。


さて、『モチベーション・マネジメント』の具体的な内容だけど、まず、大きく分けて3つに分かれる。


●●●●●  モチベーション・マネジメントの柱  ●●●●●

1)希望の法則

これは、「上手くやれそうだ」「頑張れば何とかなりそうだ」という希望があるかどうかだ。
どんなに頑張っても達成できない目標ではモチベーションが上がらない。
まずは、「頑張れば何とかなりそうだ」ぐらいの目標を部下に与えよう。


2)充実の法則

これは、「やっていて面白い」「この仕事をすれば自分が成長する」「会社からも他のグループからも期待されている」などのように仕事が充実しているかどうかだ。
部下に「期待しているよう」と常に声をかける。
成長が実感できそうな目標を部下に与えよう。


3)関係の法則

これは、メンバー全員同士の関係で、「信頼されている」「信頼している」「この人と仕事をすれば大丈夫だ」と思わせることだ。
意志決定よりどころをはっきりと示したり、不合理な不安を解消させる。「自分は評価されている」と思わせる。
これらをチームワークの中で発揮していこう。


●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


治験においても、ただ「たくさんの被験者を登録してもらおう」とか「できる限り、はやく治験を終わらせよう」と漠然とした目標を与えても、部下は不安になるだけだ。

このような場合、例えば「6か月で300人の被験者を登録してもらおう」とか「キーオープンは来年の3月だから、1月までにSDVを終了して、CRFを固定しよう」というように具体的に目標を与えることで部下の不安が減り、モチベーションが上がる。

目標も「頑張れば何とかなりそうだ」と分かれば、メンバーもやる気が出てくる。

リーダーは目標値という数字を管理するだけでなく、メンバーの気持ちをもっともっと考えていかなければいけない。
それがリーダーの役割だ。

少なくとも部下を不幸にしないマネジメントを目指していこう。

『どこで働いているか』よりも『誰の下で働いているか』が重要だという言葉もある。

リーダーは一度、考えてみよう。私は、メンバーの幸せを考えているだろうか?と。



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